日本株運用者の視点

リサーチの挑戦

2017年02月14日

錦織 正明

錦織 正明

日本株式 アナリスト リサーチ担当部長

今回は、シュローダー株式運用におけるリサーチの方針について簡単に紹介させていただきます。
1. 差別化された情報に基づくリサーチ
2. 新しいESG評価のインテグレーション
3. 長期投資の視点
差別化された情報に基づくリサーチは従来の情報チャネルから得られる情報の付加価値が減少しているという、環境変化に対応するものです。ICT技術の高度化による情報の陳腐化、法人関連情報をめぐる規制強化も情報の「差別化」を阻むものです。こうした変化に対応するためには独自の情報源を確立することが必要になります。しかしながら、実際に取り組むのは容易ではありません。価値ある情報を入手するためにはその価値に見合った時間、労力とリスクを取ることが必要になります。アクティブマネジャーがパッシブな情報選択をすることは矛盾です。我々の取り組みの内容をつまびらかにすることはしませんが、明確な目標にしています。
ESG評価は従来から私たちのバリュエーションの評価枠の中にありましたが、ロンドンにいるESG専任チームの協力を得て、より一貫性があり客観的にESGを評価する枠組みに構築し直し、長期の投資に対して示唆に富むものに変更していきます。シュローダーのESG評価は、あくまでも運用パフォーマンスを追求する視点のひとつです。
長期の視点は1と2を束ねる考え方です。1について言うと、例えばアナリストが短期の情報トレードを行おうとしても超高速取引に太刀打ちすることはできません。2について言うと、ESG評価とは変化する外部環境に対して経営陣がそれをどのように認識し、どの位適応力のあるビジネスモデル、つまりは収益機会を生み出す様々な取引主体との関係性を構築しているのか、という問いになります。これは四半期の決算数値が予想より良かった、悪かったという1対1の瞬時に消化されるような情報とは異なります。複雑に交錯する取引主体との関係が長期でどう変化していくのかという、より深い洞察を必要とする領域です。つまり長期投資の視点とは私たちの情報優位があるところで勝負しようということです。
AIがアナリストを含め人間の仕事を奪うという脅威が喧伝されますが、失敗したAIは注目されませんし、東ロボくんも東大合格をあきらめたと聞いています。決して競争環境が緩和したとは思いませんが、正しいポジショニングを取れば、アナリストが活躍できることの証左だと理解しています。

 

本コラムでは、日本株式運用チームのファンドマネジャー、アナリストが毎月入れ替わりで市場や業界での注目点、気になった話題などをご紹介します。

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