日本株運用者の視点

ロンドンでの投資家とのミーティングにて

2017年03月14日

アンドリュー・ローズ

アンドリュー・ローズ

日本株式 ファンドマネジャー

日本株式市場において、外国人投資家は最近では市場取引額の60%以上を占める存在になっています。加えて、外国人投資家の売買動向が買い越しか売り越しかというのが、市場の大まかな動きと高い相関性を持っています。ただ、どちらが原因でどちらが結果かについては、議論があるところです。外国人投資家が買うから上がって、売るから下がるのか、あるいは市場が上がっているから外国人投資家が買うのか、という議論になかなか正解は見えません。しかしながら、いずれにしても外国人投資家が何を考えて、どういう動機で日本株を売買しているかについて考えることは意味があると言えます。そういう意味で、最近私自身がロンドンにて富裕層向けの運用担当者とのミーティングで議論した内容には興味を持ってもらえるのではないかと思います。
この投資家はいろいろな資産に長期的な視点で投資をしており、短期的に市場を動かすようないわゆるマクロ・ヘッジファンドとは一線を画す存在です。それでも、彼らからの質問は外国人投資家の代表的なものと言えます。彼らは日本に対してポジティブに見ていますが、今回のミーティングではあえてチャレンジをしてきました。
✔世界的に株式市場は歴史的にもかなり高い位置にいるが、まだ上昇するのか?
✔日本では製造業の生産サイクルは上向きだが、米政権による保護主義的な動きに懸念はないのか?
✔高齢化などの人口動態は、株式市場にとってどれくらい悪影響があるのか?
✔日本の財政問題は深刻であるが、日本国債の市場がクラッシュするまであとどれくらいか?
✔日本市場ではバリュー戦略が過去6か月では有効であったが、それは持続的なのか?
✔東芝などの問題があったが、日本のコーポレートガバナンスの改善を信用していいのか?
✔日本円についてはどのような見方を持っているか?
私からの回答は以下の通りです。まず、世界的に株式市場は割高感が出てきているが、日本市場はそうではなく、企業業績も堅調である。保護主義は確かにリスクであろう。高齢化については、日本だけの問題ではなく、経済成長にとってはマイナス要素だが必ずしも株式市場にとってマイナスなわけではない。財政赤字も長期的には持続可能ではないと思うが、それ自体が株式投資家にとっては優先度の高い問題ではないであろう。バリュー戦略の有効性は、確かに急な反転が2016年後半に見られたが、そのトレンドは緩やかながらも持続するのではないか。日本企業のコーポレートガバナンスについては、外国メディアは不祥事ばかりに注目しがちであるが、着実に改善している。そして、日本円に対しては特に見通しを持ってはいない。日本の金融政策に変化はないであろうから、米ドルの行方が焦点になるだろう。こうした洞察が投資家の役に立てればと思います。

 

本コラムでは、日本株式運用チームのファンドマネジャー、アナリストが毎月入れ替わりで市場や業界での注目点、気になった話題などをご紹介します。

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