日本株運用者の視点

社外取締役にもとめられること

2017年07月11日

豊田 一弘

豊田 一弘

日本株式 ファンドマネジャー

コーポレートガバナンス・コードが2015年に導入され、日本企業においても社外取締役の導入が進みました。昨年までに東証一部上場企業のうち約8割の企業が独立社外取締役を複数名選任しています。数年前までは、社外取締役を複数選任している会社が2割に満たなかったことを考えると、日本企業の取締役会構成はここ数年でかなり改善したと言えます。
では、社外取締役に期待されることとは一体何でしょうか。それは、運用者の視点で言えば、少数株主の利益代表としての役割を期待している訳であり、社外取締役に求められるスキルセットは上場企業ごとに違うのではないかと考えています。例えば、海外への事業拡大がメインのビジネス機会(同時にリスクでもある訳ですが)であれば、その知見を有することが望ましいスキルセットであろうかと思いますし、M&Aが主要な成長戦略である企業であれば、その領域で実績を持つ方がよりふさわしい社外取締役であるように思います。
企業経営者の方とお話しする中で、このように経営課題と社外取締役の人選が合致していると確認できた場合、運用者としてはガバナンスに対する信頼度が高まります。逆に言えば、選任されている社外取締役の方が取締役会の中でどのような機能発揮を期待されているのか判然としない場合には、たとえ社外取締役が複数の取締役会構成であっても好意的な評価はできないと感じます。
また、最近では社外取締役の方と直接お話しする機会も多くなってきました。社外取締役はマネジメントとは違った角度で企業の課題を見ていることが多く、非常に参考になります。また、社外取締役がアニュアルレポートなどを通じてその企業のマネジメントをどう評価し、経営課題をどう捉えているかを積極的に情報発信するケースも見られます。その意味からも社外取締役に期待するところは非常に大きいものです。
トップマネジメントのガバナンスに対する真剣度を確認するには、社外取締役の顔ぶれを見ればわかると言えるのかもしれません。

本コラムでは、日本株式運用チームのファンドマネジャー、アナリストが毎月入れ替わりで市場や業界での注目点、気になった話題などをご紹介します。

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