シュローダー定期便

マクロ経済見通し 2017年12月

2017年12月06日

キース・ウエ―ド

キース・ウエ―ド

チーフ・エコノミスト兼ストラテジスト

アザド・ザンガナ

アザド・ザンガナ

シニア欧州エコノミスト兼ストラテジスト

クレッグ・ボサム

クレッグ・ボサム

新興国市場エコノミスト

シュローダーのエコノミクス・チームより、マクロ経済見通しのサマリーを お届けします。

基本シナリオ

【世界】
2017年の世界経済の成長率見通しは3.2%に引き上げました(2016年は2.6%)。2018年の見通しについては3.3%に加速、2019年には3.0%にやや減速する見通しです。一方で、2017年のインフレ見通しは2.3%で維持しており、2018年は2.3%、2019年には2.5%に上昇すると見込んでいます。景気が安定的に推移し、インフレ率が低位で推移することが見込まれることから、今後も過度な過熱や冷え込みのない適度な相場環境(ゴルディロックス相場)が持続する見通しです。
【米国】
米国の経済成長見通しは、2017年は2.2%、2018年は予想される財政面での景気刺激策の効果を加味し2.5%に上方修正しました。米連邦準備制度理事会(FRB)は保有資産の縮小に着手しており、年末までにあと1回の利上げを実施すると予想しています。今後はコアインフレ率の上昇が見込まれることから、FRBは2018年に3回、2019年に1回の利上げを実施し、政策金利を2.5%まで引き上げると予想しています。
【英国】
英国の経済成長見通しは、2017年は減速して1.5%、2018年はほぼ横ばいとなる見通しです。インフレ率は、今年大幅に上昇していますが、2018年には2.2%程度にまで落ち着くと見通しています。2019年の見通しについては、ブレグジット(英国の欧州連合(EU)離脱)の影響から不透明であると考えています。英国による単一市場への部分的なアクセスが認められる形でEUと合意に達すると想定していますが、その場合、英国は貿易面での混乱や、新たな関税の導入に伴うインフレ率の上昇に直面すると考えられます。尚、英国中央銀行(BOE)は2019年に2回の利上げを実施すると予想されます。
【ユーロ圏】
ユーロ圏については、堅調なマクロ経済指標や政治リスクの後退を背景に、2017年は2.3%の経済成長を見込んでいます。2018年や2019年も引き続き力強い成長が見込まれ、ユーロ圏経済の生産余力は十分であることから、インフレ率も低く抑えられる状況が続くと予想しています。欧州中央銀行(ECB)は、政策金利の水準を据え置くとみられますが、2019年以降の利上げ実施を念頭に2018年から量的緩和の縮小を開始する意向を示しています。
【日本】
日本については、財政政策の拡大と円安により、2017年は1.7%の経済成長、0.4%のインフレ率を見込んでいます。日本銀行(BOJ)によるさらなる利下げの実施は考えにくい状況です。一方、BOJは10年物国債の利回りを0%程度に誘導することなどを通じて物価安定目標の実現に努めているものの、物価水準が依然としてインフレ目標を下回る状況が続いていることから、量的・質的金融緩和をさらに強化する可能性があります。
【エマージング諸国】
エマージング諸国経済については、インフレ率の落ち着きや利下げの実施により、2017年と2018年の経済成長見通しを4.9%に引き上げています。中国の持続的な経済成長に対する懸念は継続する見込みで、同国政府は2018年の経済成長目標を引き下げることが予想されます。

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