臨時レポート

年金支給開始年齢の上昇:あなたは何歳でリタイヤしますか?

2017年12月04日

世界各国で年金支給開始年齢の引き上げが実施されています。多くの先進国では、今後数十年の間に年金支給開始年齢が67歳にまで引き上げられる可能性があります。
18歳から21歳で働き始め、60歳から65歳で定年を迎えるという多くの先進国におけるモデルケースは、もはや実行可能な状況ではなくなっています。


なぜ、制度調整を余儀なくされるのか?

まず、長寿化が要因として挙げられます。世界銀行によると、英国の平均寿命は、過去30年間で75歳から82歳に上昇しました。
年金受給者を支える労働者人口の減少といった人口動態の不均衡の拡大も、年金を取り巻く環境にマイナスの影響を与えています。また、長寿化以外にも、西洋諸国では出生率の低下が長期的な傾向として見られます。
一般的に、現在の人口を維持するためには、合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子供の平均数)が2.1であることが必要となります。
直近のデータによると、経済協力開発機構(OECD)加盟国の35ヵ国の合計特殊出生率の平均は1.7であり、ドイツ、日本、スペインなどの多くの国々では、1.5以下となっています。
つまり、これは年金受給者に対する労働者の割合の低下を意味しており、この割合は今後数十年間に亘って低下し続けるでしょう。
これらの要因が重なったことにより、政府の年金債務負担額は急上昇しており、不足を補うための政府の資金調達も困難な状況となっています。
その結果、政府は年金支給開始年齢の引き上げ以外に選択の余地がなくなりました。この影響は、通常、公的年金の支給開始年齢をガイドラインとしている私的年金にも波及し始めています。
シュローダーのDC(確定拠出年金)/ リタイアメント部門のヘッドであるレスリー・アン・モーガンは、次のように述べています。
「平均寿命の上昇は世界中で進行しています。この現象は、過去数十年間に亘って見られますが、退職の年齢(公的年金支給開始年齢)はほとんど変化しておらず、65歳若しくはそれ以下の年齢での退職が現在でも一般的です。
手厚い年金を支給してきた西洋諸国の多くは、危機的状況を迎えつつあります。国によっては、これらの年金制度は修正を加えない限り存続できない可能性があります。この問題に対処するための最も簡単な方法は、将来の退職の年齢を引き上げることであり、近年その動きが相次いでみられます。」

あなたの国の公的年金支給開始年齢はどの程度上昇するのか?

年金支給開始年齢の引き上げは、世界中でみられている現象であり、多くの国々では女性を対象とした引き上げが実施されています。
次表は、現在および予定されている将来の退職年齢(公的年金支給開始年齢)を示したものです。一部の国では一定の基準に基づいた早期退職オプションもありますが、ここでは表示していません。また、オーストラリアの65歳6ヵ月やスペインの65歳5ヵ月など、月単位は四捨五入しています。

 

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