2019年市場見通し

2019年市場見通し 日本株式

2019年1月10日

前田 建

前田 建

日本株式運用 総責任者 ファンドマネジャー

  •  2019年は、外部環境の不透明感や景気減速のリスクが残り、企業業績に対する見方も一進一退となる模様
  •  企業間、業種間の格差は大きいものの、市場全体としてもバリュエーションの割安感はあり、市場環境の落ち着きと業績の改善に期待
  •  ガバナンス改革の進展により、日本株式市場の投資魅力が高まっていくことが日本株式固有の支援材料

 

2018年12月に世界的なリスクオフ環境のなか、日本株式市場も大きく下落しました。季節的に市場参加者が限られる中、ファンダメンタルズの悪化懸念に加えて投機的な動きや需給要因が拍車をかけて極端な値動きになったと認識しています。2019年は、不透明感から変動性の高い相場展開が継続するものの、割安な株価水準を考慮に入れると反転上昇局面が訪れる可能性も十分に期待できると考えます。

経済見通しは強弱入り混じる情勢

日本経済は概ね緩やかな回復を続けると見られるものの、貿易摩擦激化の先行き不透明感があり、足元でも生産、輸出は強弱入り混じっています。鉱工業生産については先行き緩やかな増産が見込まれているものの、生産に大きな影響を与える輸出は日銀の実質輸出データでみると足元軟調となっています。内需については、設備投資が継続的に上向いており、生産性改善のためのIT投資などが牽引するものと思われます。個人消費については、実質消費支出が足元で弱い動きとなっています。

雇用拡大は続き、賃金上昇ペースも高まっていますが、家計の消費性向を押し上げるには至らず個人消費の基調はなお脆弱です。2019年10月には消費税引き上げも予定されており、今後の消費支出の動向には注意を要します。

先行き不透明感は強いものの、グローバルで見るとPMIは依然として高い水準で推移しており、現在のところ世界経済は3%程度の成長を維持すると見ています。内外のリスク要因により短期的には弱含む可能性はあるものの、消費税引き上げに対応した財政政策も想定されることから、国内景気は2020年に向けて安定的に推移するものと見ています。

企業業績に減速懸念ながらバリュエーションは割安水準

今後、株式市場では今期業績の着地から来期業績に焦点が移ってくるものと思われます。足元での円高進行に加えて、中国経済の減速やアップルのiPhoneに代表されるスマホ販売の鈍化など、マイナス材料が多く、市場のコンセンサス予想は今後下方修正されるリスクが想定されます。

しかしながら、そうした企業業績の軟化は市場では既に相当程度織り込んでいると考えられます。昨年12月の株価急落を受けて、株価収益率、株価純資産倍率、配当利回り等のバリュエーション指標の割安感が強まっています。これらの水準は過去の歴史的な推移からみても、かなりの悲観的シナリオを織り込んだ水準にあると認識しております。個別の株価を見ても、企業のファンダメンタルズとは乖離した値動きとなっている銘柄が散見される状況にあります。

本格的な株価回復にはまだしばらく時間が掛かると想定され、当面は悲観と修正を繰り返す変動性の大きい不安定な動きが続くと思われます。しかしながら、今後、内外の政治情勢、マクロ環境や企業業績などでプラス材料が出てきた際には、これまでの市場の極端な動きは修正される可能性があります。2019年を見据えた場合には、割安な株価水準を考慮に入れると反転上昇局面が訪れる可能性も十分に期待できると考えます。

ガバナンスの改善と日本企業の投資魅力

今般のコーポレートガバナンス・コード改訂により持合い株の解消や株主還元の積極化などガバナンス改革の進展が日本株式市場の投資魅力を中長期的に高めていくと見ています。この点は世界経済や金融市場の連動性が高まっている中、日本株式固有の支援材料として下支え効果を発揮する可能性があると期待しています。

 

 

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